「私は、不妊症なんじゃないか?」
世の中の情報は、悩む人に対して、そう刻み付けているように感じてなりません。
本来、赤ちゃんを迎えようと考える夫婦は、前向きであって良いはずなのに、肝心な夫婦生活に問題を抱えるケースも少なくありません。
子どもを授かりたいけど、なかなか授かることができないと悩み、勇気を出して、病院へ行って診断をしてもらうも、卵巣や子宮などに明確な症状がある訳ではなくて、検査による数値がちょっと悪いところがあるくらいだったりしますよね。
目に見えて症状があるのであれば、まずは治療に専念しようとか、とりあえずの目標ができていいのかもしれませんが、多くの人はそうではない。
お医者さんが一生懸命に提示してくれるものは、お金も安くはないし、
まるで、あなたのことを
「不妊症ですね」
と、言っているかのような気持ちになって、さらに落ち込んでしまったり…
でも、苦しい気持ちに蓋をして、妊活について、いろいろ調べてみると、コレがいい!とかアレがいい!とか情報はたくさん出てきます。
うちのサイトも、その一つかも知れませんが、、、
たくさんの情報の中から、自分にできるものをいろいろと取り組んでることでしょう。
でも、一体、
いつになったら妊娠できるの?
何が足りないんだろう?
この疑問は、払拭できないまま、過ごしているのではないでしょうか?
今回は、鍼灸師として、何人も頑張って妊活に取り組んでいる方を診てきて、共通していると感じることや是非取り組んで欲しい方法を紹介していきます。
まずは、鍼灸師が東洋医学的に不妊症を診るとき、どのようなところを重点的に診ているか見ていきましょう。
東洋医学に基づく不妊症の身体は、どんな状態になっているのか?
実際に、産婦人科などで不妊症かもしれないと診てもらうと、子宮や卵巣などの機能的な病気以外にもさまざまな状況を診て、不妊症とされています。
一方、東洋医学に基づいて、鍼灸の施術の場で患者さんを診ていくと、お医者さんと共有できるところもあれば、そうでないところがあるように思えます。
東洋医学では、脈診や腹診などで身体全体を診ていって、五臓六腑の関係のバランスの崩れであったり、流れの悪さなどを判断しながら不妊症の原因を確認していきます。
東洋医学でみる不妊症の多くは、身体のどこかに冷えを抱えている
妊娠を考えた時、より意識が傾くのは…
「私、冷え性なんじゃない?」
身体の冷えに注目ができるということは良いことです。
当然のことですが不妊症の方に限ったものではありません。
僕が診てきた患者さんの多くは、
「自分が冷え性であることを認識していない人」が実は多いのです。
患者さんが認識できないくらいの冷えである場合も多かったりします。
特に、不妊症が考えられる場合は、下腹部のごく一部に冷えを強く感じられたりするものです。
逆に、冷え性でもないのに、自分のことを冷え性だと思い込んで、過度な厚着をしたり、夏でもカイロを貼っている人がいます。
何が問題なんだろう?と思いますよね!
汗をかくと、どうなるか知っていますか?
「汗で、身体は冷えるんです」
でも、これらは表に出た症状であって、原因ではありません。
主な冷えの原因はいくつかあるのですが、大きく考えると2つに分けることができます。
むくみにも表れたりする身体の中の水分が、うまくさばけていないこと
身体の水分は、全体の内の60〜70%と言われています。
この多くの割合を占める水分は、古くなったモノは排泄し、新しく取り入れたモノをスムーズに循環させることで身体を正常に保っていくのですが、日々の生活の中でどうしても循環させることが出来ず、ある一定のところに溜めた状態になってしまったりします。
東洋医学では、水分は身体を冷やす作用があると考えているので、溜まってしまう状態が続くとその場所だけ冷やしてしまうと考えるのです。
歩きすぎたり、立つ時間が長くて、むくんでしまった時は、お風呂で温まったり、マッサージをしたくなりませんか?
これは、とても理にかなっている行為と言えるんです。
血液の流れが全身にくまなく行き届いていないこと
東洋医学において、身体を温めるためのエネルギーは、血液が運ぶと考えています。
人は絶えず血液を全身に循環させていますが、どうしても一部には届きにくくなってしまったりするのです。
血液が届きにくい場所の近くでは、瘀血(おけつ)といって古い血液が溜まってしまっている場合もあります。
本当は、全身にくまなくエネルギーとなる血液を届けたいのですが、なんらかの身体の不調で届けることができないと、身体の一部だけ冷えてしまうことにつながるのです。
むくみであったり、血液の流れであったり、一見、不妊症と直接関わりが無さそうに見えるところに原因があると東洋医学では考えています。
続いて、不妊症を考える時、身体だけでなく心の状態によっても大きく影響を受けると東洋医学では考えるので、その辺りにも触れていきます。
東洋医学で考える不妊症と心の関係
「私は、妊娠できないのかな…」
あなたが不妊症について、考えたり調べたりし始めた時、いろいろな不安が頭をよぎり、落ち込んでしまったり、周囲の人の言葉に動揺したり、相手に悪気が無いのはわかっているのに、傷ついてしまったりしてしまったことはありませんか?
そんな時、活動的だった気持ちは、消え…動く気力が湧いてこないことってありますよね。
今は、ちょっとインターネットで調べると、不妊症に取り組む体験談であったり、サプリメントなどの商品紹介といったものがたくさん出てくるものです。
あなたは、多くの情報から勇気づけられたり、仲間がいることで安心したり、妊娠するために良いと言われるモノを試してみたりすることもありますよね。
子どもを授かるためには、前向きに取り組まなければならないと、自分を奮い立たせ、本音を隠して、周りにも気丈に振る舞うこともあるのではないでしょうか?
逆に、いつになったら子どもができるのだろうと不安でいっぱいになることもあるのではと思います。
誰だって、前向きで居続けることは難しいものです。
このような気持ちの揺れ動きは、女性である奥様の方が男性よりも確実に大きいもののはずです。
東洋医学は、気持ちの「気」というものをとても大切に考える医学です。
気持ちというのは、楽しい、嬉しい、悲しい、怒りという心の状態を表しているものです。
一方、「気」は、いろいろな解釈の仕方はありますが、
身体を動かすためのエネルギーと考えることができます。
気の持ち方によって、感情として心の状態を表したりもするし、身体の動きにも関わってくるのです。
例えば、怒りの気持ちがふつふつと沸いてくると、荒々しくもすごく行動することが出来たりします。
また、怒りが頂点に達すると、逆に身体が強張って動きにくくなることもあります。
このように、心の状態一つで身体が動きやすかったり、動きにくくなったりするのです。
不妊症に悩む方の多くは、心の動きの振れ幅が大きくなりやすく、疲れてしまい、気の動きにも影響を及ぼすと考えます。
あなたの心理状態に注目する前段階として、スピリチュアルという視点もありますよ!
→赤ちゃんをスピリチュアル的に考えてみる!欲しいを叶えるタイミングとは?
ここまで、身体と心の二つの側面から、東洋医学における不妊症とはどういうものか見てきました。
続いて、東洋医学で考える妊娠しやすい身体はどういうものか見ていきましょう。
東洋医学で考える妊娠しやすい身体とは
妊娠のしやすさについて大きく考えると、2つの要素で考えることができます。
1つ目は、
赤ちゃんが居心地の良いふかふかのベッドが用意されることです。
ふかふかのベッドは、あなたの子宮の中で用意されるのですが、子宮は主に筋肉で作られていて、新鮮な血液が送られることによって、柔らかく温かなベッドになっていくのです。
どんな環境を用意してあげると、赤ちゃんは、安心して、すやすやと眠り、お母さんに身を任せられるでしょうか?
それは、あなたのお腹の環境も同じなんですよ!
赤ちゃんがこの世に生を受けると決めた時、最初の居場所は、あなたのお腹の中です。
その疑似的な場所が、保育器です。
保育器は、主に、早く生まれてしまった赤ちゃんが過ごす場所です。
手を入れると、汗をかいてしまうほど、暖かな空間を人工的に作り出しています。
赤ちゃんがお腹に宿るというのは、そういった環境を用意してあげることが大切なのです。
2つ目は、
潤沢に栄養が届き続けるような環境です。
一方で、おなかの中で赤ちゃんが育っていくためには、赤ちゃんのおヘソのあたりとお母さんの血液が循環する仕組みが必要になります。
あなたの身体の健康を維持するために栄養を運ぶ血液の流れにプラスして、赤ちゃんにもしっかりと栄養を届け続けることです。
東洋医学において、妊娠について絞って考えていくと血液に行き着きます。
胃腸からの栄養をしっかりと吸収して栄養豊富な血液をつくり、その血液をしっかりと全身に届けられるような身体づくりが必要だということです。
妊娠できても、赤ちゃんに十分な栄養を届けられる道(血液)がなかったら、赤ちゃんは、育つことができません。
赤ちゃんだけでなく、あなた自身の健康を維持することが難しくなってしまいます。
まず「あなた」が元気でなくては!!
身体だけでなく、心の状態も非常に大切で、落ち着いた心を維持できるように心がけることも必要です。
次に、鍼灸師として、不妊症で悩む方にどのようなアプローチをしているのか紹介していきます。
妊娠しやすい環境をつくるために、東洋医学で行うこと
鍼灸師である僕は、不妊症で悩む方に対して施術する機会もよくあります。
ただ、不妊症だということで、そのための特別な施術方法があるというわけではありません。
問題点を解消することは大事ですが、その問題がどこから来ているのかを考えることの方が重要です。
例えば、肩こりは、肩をほぐせば解消できると思いませんか?
僕は、そのように考えません。
肩こりが起こる原因を考えます。
ストレスのかかりやすい環境で生活をしていないか?冷え性はないか?実は、他の場所が弱っているんじゃないか?そんなことを考えて施術にあたります。
なぜなら、その原因から断っていかなくては、何度も肩こりに悩まされることになります。
つまり、東洋医学では、身体全体のバランスを診ていて、五臓六腑のどこかに弱りがないか、肩こりや腰痛など身体の張りが強いところはないか、冷えや熱の過剰なところがないかなど身体全体でバランスの崩れを確認して、バランスを良くすることを心がけています。
不妊症の原因でも書いたように、不妊症の方は冷えを抱えていることが多く、その冷えをとるためのツボを確認して鍼やお灸で施術するようにしています。
また、気が張っていて、心の疲れを感じる方も多いので、リラックスできるように、心身の両面を考えて、アプローチさせていただいています。
続いて、なかなか鍼灸の施術を受けることも難しかったりするので、自宅でも取り組むことができるおすすめの方法を紹介します。
あなたが、妊娠しやすい身体つくりのために今から取り組める3つのおすすめ
妊娠しやすくなるような身体をつくっていくためには、東洋医学における基本的な考えである気・血・水の流れを良くして、身体のバランスを整えていくことが大切です。
あなたが自宅でもできる方法を3つ紹介していきますね。
白湯を飲む習慣で、身体を温めて水の流れを良くする!
白湯は、やかんや鍋などで水を沸騰させて少し冷ましたものです。
この白湯を最低限、朝起きてから動き出す前に一杯、寝る前に一杯飲むことを習慣にします。
朝起きたときの白湯は、寝ていた時に消費した水分を補給するとともに、身体を温めることで動きやすくするためです。
身体が動きやすくなると、気分も上がりやすく一日の始まりに良いと考えます。
誰だって、朝から活動的に動けたら、1日が楽しく始められますよね!
寝る前の白湯は、ホッとひと息するように気分を落ち着かせて、気持ちよく身体を休ませるスイッチになります。
一日、頑張ってきたあなたをいたわるようにしてあげることで、身体のオンとオフが明確になってバランスが整いやすくなります。
「今日も、わたし、頑張ったよね!お疲れ様♡」
白湯なので、美味しい飲み物とは言えないかもしれませんが、自分のことをいたわる習慣は、持った方がいいのです。
なぜなら、あなたが待ち焦がれる赤ちゃんを授かり、出産した後には、想像もつかないほどの目まぐるしい日々がスタートします。
愚痴や文句を言う暇もないほど、赤ちゃんは、あなたのことを休ませてくれません。
そんな赤ちゃんのために、今からオン・オフスイッチを習慣化しておけば、後にも役立ちます。
それに、心のモヤモヤも抱えすぎていると、旦那さんも心配するでしょう。
腕や脚へのお灸習慣で、血液の流れを良くする!
「やったことない…」
そんな声が一番多く聞こえてきそうですが…
お灸は、火を使うものなので熱そうだし、経験もなく、なかなかやるのは怖いと感じる方も多いですが、実は、鍼灸院に行かなくても、セルフケアは、簡単に行えます。
最近ではドラッグストアでもお灸を販売していて、台座があって直接肌には火が届かないように配慮されているものが売っています。
もちろん、セルフケアなので、お腹や背中にお灸をすることは、容易ではありませんから、そこは、プロの鍼灸師として、あなたが簡単にできる方法をご紹介いたします!!
お灸は特に冷えを感じている方には、特におすすめしていて手足の先まで血液の流れを良くする効果が期待できます。
お灸をするおすすめのツボは、本当は人それぞれ違ったりするのですが、2つのツボを紹介します。
1つ目は、ツボについて少しでも知ってる方は、メジャーな三陰交です。
三陰交は、足の内くるぶしの頂点から指4本分上のところにあって、足のツボだけどお腹の内臓の働きを助ける効果が期待できます。
生理痛の緩和にも役立ちますよ!
2つ目は、手首のところにある陽池というツボです。
陽池は、手の甲側の手首のところで、手首を曲げたりすると線が入るところの真ん中で、中指から肘に向かってたどって手首と交わるところになります。
この陽池は、血液の流れを整えるとともに、水の流れも整いやすくなるのです。
お灸を、腕や脚の先の方でするのは、ツボの効果として、お腹の方の内臓へのアプローチができると考えられるとともに、身体の隅々まで血液を行き渡らせることが出来ます。
お灸の効果を感じられるのには、個人差もありますが、ツボから身体を循環するには、20~30分ほどの時間がかかると考えています。
断食をすることで、胃腸を中心に内臓を休ませてあげる!
「えぇ?!断食!!!!」
何言ってるの?という声が聞こえてきそうですが…(笑)
断食というと、究極の食事制限でダイエットをすることを思うのではないでしょうか?
目的は、それぞれにあるので、どんな目的でされてもいいのですが、断食で達成できるのは胃腸を中心に内臓を休ませることです。
内臓は、私たちが寝ている間、動きが鈍くなっても休むことはありません。
絶えず、食物が入ってきたら、それを消化しなくては…とエネルギーを使い続けています。
エネルギー不足だったとしても、内臓は、働き続け、内臓が悲鳴を上げた時には、病気になってしまうかもしれません。
もし、内臓が元気で、エネルギーを効率的に使えるようになったら、何が起こると思いますか?
栄養をしっかりと吸収できるようになり、代謝を上げて血流を良くすることができます。
内臓関係の働きは、普段自分自身が意識することは難しく、健康な状態なのかさえ、把握することもなかなかできることではないです。
妊娠のために良いと言われるサプリメントなども多くありますが、そういった栄養をしっかり吸収できるのも健全な内臓が整っていてこそです。
ただ、東洋医学では、人が普通に生活していると、身体のどこかで不調があって内臓関係に負担が大きくかかっていると考えています。
内臓関係を休ませる断食は、身体のバランスを整えるのに、ご自身で行えることとして一番お勧めしている方法です。
【まとめ】身体のバランスを整えて妊娠しやすい身体になろう!
東洋医学で考える不妊症の原因は、大きく2つ
身体の冷えと心の疲れにあるとしています。
身体の冷えについて気をつけて欲しいのが、冷やしてはいけないと、腹巻きをしたり、靴下を常に身につけたりすることです。
たしかに、腹巻きや靴下は身体を冷やさないためにするものですが、過度につけていると汗をかき始めて逆に身体を冷やすことになってしまいます。
また、元々身体に冷えを抱えている場合だと、身体の内から冷えを解消するようにしないと、根本的な解決につながらない時も多いのです。
実際に、患者さんを診ていて思うのが、すごく一生懸命に頑張っているのはとても伝わるのですが、ストレスも強くなってきてどんどん心が疲れていってしまう印象があります。
あなたの中で、少しリラックスできるひと時がつくれるようになるといいのではと思うのです。
今回、紹介した白湯やお灸の習慣は、身体へのアプローチとともにリラックスさせることにも期待できます。
最後に、断食を行うことは、ご飯を食べないなんて無理と思われることも本当に多いのですが、ちゃんと準備をしてやってみると、案外できるものです。
ぜひ、妊娠しやすい身体になっていくために取り入れて欲しいです。
最後に、お勧めの断食のやり方を紹介させていただきますね!案外、無理せずにできるものですよ。
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