相手本位(他者本位)をやめたいと考えるあなたは、誰かの顔色ばかり窺ってしまいますか?
誰かからの評価を気にしたり、相手に嫌われることを恐れ、気に入ってもらえるように行動してしまう…そんな自分が苦しいと感じていますか?
相手のことばかりを考えていると、自分のことを大切にできていないことに気づく時もあると思います。
ネット情報を見ていると、漢字の書き方や意味の捉え方が一律で書かれていないようで、何が本当で、何が間違っているのかもわかりにくいかもしれませんね。
相手本位(他人本位)は、誰かを思いやるということではありません。
相手に従うことです。
この記事では、「本位」と「本意」の違い、自分を大切にする生き方、相手を大切にする生き方についてお話します。
「本位」と「本意」の違いから知ろう!
じぶんほんい、あいてほんい、読み方は同じでも、人によって「本位」を使ったり、「本意」を使うので、そもそもどっちの漢字を使えばいいのかもわかりにくものです。
そして、私がネットの記事を読んでいると、言っていることと、使っている漢字の意味は噛み合っていないなぁと思います。
さて、この本位・本意の前に、自分や相手という言葉が足されると、どのような意味になるのかを次にご紹介します。
自分本位・自分本意・相手本位(他人本位)・相手本意の違い
4つの意味の違いをご覧ください。
自己中心的(自分に優位)な考え方や言動を指します。
自分本意とは
自分の本当の気持ちを指します。
相手本位(他人本位)とは
相手中心的(相手に優位)な考え方や言動を指します。
相手本意とは
相手をおもんぱかることを指します。
相手のことをよく考え、思いを巡らせることです。
漢字が変わると、それぞれの意味って、こんなにも違ってくることに驚きますよね。
ネット上で私が見かける他の記事では、「自分本意」を指しているような話なのに漢字は”自分本位”と書かれていることもよく見かけます。
当サイト、AYAMEでは、AYAMEの理念に沿って、一律上記の表通りの字で表していますので、ご承知おきください。
相手本位も自分本位も幸せになれない理由
おさらいをしましょう。
■相手本位は、相手中心的(相手に優位)な考え方や言動
■自分本位は、自己中心的(自分に優位)な考え方や言動
相手本位が幸せになれない理由
相手優位に接するように努めること、努めてしまうことが、相手本位(他人本位)ですね。
冒頭でも書きましたが、相手の言うことをきく、顔色を窺うような言動をしてしまう人の特徴は以下のような心理が働いています。
わかりやすい例えを出すのなら、ジャイアンの顔色をいつも窺っている「スネ夫」のような生き方です。
- 嫌われたくない
- 怒られたくない
- 怒らせないように努める
- ひとりになりたくない
- 別れたくない
- 言い返す勇気がない
- つい、従ってしまうなど
あなたは、これらの理由を無意識にでも考えてしまっていないでしょうか?
そして、相手本位でいることには、もう1つ理由があると思います。
- 相手が自分より権力を持っている
- 相手が仲間のリーダーである
- 相手の発言力の方が強い
- 相手に従っていた方が自分が安全
- 相手に従わないと問題が起きるなど
あなたの中でも、相手と自分との関係性に”優劣”が付いているかもしれません。
または、パワハラ、モラハラのような関係性を指していることもあるでしょう。
あくまでも、相手本位とは、相手を優位にするためにあなたが行動することを指すので、相手への思いやりではありません。
あなたが、自分の立ち位置を保護するために相手に尽くしている状態、自分を犠牲にしている状態を指します。または、そうしないと、相手が暴れる、暴言を吐くなど、従わないと平穏が保たれない場合を指すこともできます。
もしも、その生き方に満足をしているのならば、それは、相手本位ではなく、相手本意であると言えます。
自分本位が幸せになれない理由
自分本位は、自分を優位に持って行くことで、自分勝手で自己中心的な言動を指します。
わかりやすい例えは、「ジャイアン」そのものです。
自分本位とはどのような状態か?
- 相手の気持ちや状況を考えない
- 自分の気持ちを抑えることが下手
- 相手を振り回す
- 気に入らなければ感情をぶつける
- 自分の都合や気分でしか動かない
このような振る舞いというのは、誰しも振り返れば覚えのあることだと思います。
なぜ、自分本位は良くない事なのか?
■相手から好かれているとは断言できない
■相手にどれだけ我慢させているか理解できていない
■いつも不安を抱えているから相手に強く出てしまう
■いつか、相手が離れて行ってしまうかもしれない
誰しも誰かに愛されたいと思うのが人の本質です。
でも、その愛を強要して、相手を束縛したり、力でひれ伏させるような言動を働いたり、相手の気持ちや状況を考えずに好き勝手な発言や行動を取ってしまうのは、自分本位であると言えます。
相手の気持ちや状況を想像する力が乏しいと、思わぬしっぺ返しを受けることになります。
そう言えば、さっき、嫌そうな顔してたな…そう思っても、自分の意を制することができず、ワンマンに振舞ってしまえば、相手を傷つけてしまっていても無視していることになります。
相手の状況を鑑みず、自分の都合や気分で振舞い続ければ、あなたに嫌気がさして、離れて行ってしまうこともあるでしょう。
自分本意・相手本意が幸せな関係を築いていく
先程とは、真逆の話となる「自分本意」と「相手本意」です。
おさらいをしましょう。
■自分本意は、自分の本当の気持ち
■相手本意は、相手をおもんぱかること
自分本意が幸せな関係を築いていく理由
3つの原理が働いて、幸せな対人関係というものが存在できます。
“自分”って、何よりも大切な存在であることをご存知でしょうか。
かけがえのない存在を感じられるのも、”自分があってこそ”です。
あなたにとって、大切な人が笑ってくれる大前提の理由をご存知でしょうか。
あなたが笑顔であることです。
あなたが笑顔であるために必要なことは何でしょうか。
自分を大切にできていることです。
自分を大切にするために必要なことは、自分の気持ちをあなた自身が理解していることです。
自分を大切にするとは…
- 自分を否定しない
- 自分の敵にならない
- 自分の味方になる
- 自分の気持ちを聴いてあげる
- どんな自分がいても許してあげられる
自分の理解を他者に求めたり、自分の足りないモノを他者に埋めてもらおうとしてしまうのが、人間の弱点です。
でも、これは、裏を返すと「自分本位」な行動になりかねません。
相手に求めることは、悪いこととは言いませんが、相手が喜ぶことなのかは疑問です。
自分の機嫌は自分で取るべきであり、他人任せにしないことが、自分本意でもあります。
あなたが自分の大親友になれた時、今日という生き方が大きく変わっていきます。
自分本意になれるとどうなるのでしょうか?
- 相手に八つ当たりをすることがなくなる
- 相手を振り回すことがなくなる
- 相手に優しくできる
- 自分の心に余裕ができる
- 毎日が楽しくなっていく
これらを誰かに埋めてもらおうと思えば、自分本位に振舞いがちになるのです。
それが、自分本位と自分本意の大きな違いです。
相手本意が幸せな関係を築いていく理由
相手本意の1番わかりやすい例えは、相手にプレゼントを贈ろうと思う時のあなた自身の思考です。
- これ好きだって言ってたな
- これが欲しいって言ってたな
- これがあったら役立つだろうな
- これ、もう持ってるかな?
- これは、きっと喜ぶだろうな
こんな想いを巡らして、プレゼントを選びませんか?
今、羅列した中には、あなたの意はどこにも入っていませんよね。
これが”相手本意”です。
日常生活で例えると…
- 今日は好物を用意して待っていよう
- 疲れてそうだからお湯を沸かしておこう
- 好物を買っていってあげよう
- 頑張ってるから差し入れをしてあげよう
こんなやり取りも、相手を思いやった行動ですよね。
しかも、相手の要求を飲んでいるわけではなく、相手がちょうど欲しいんじゃないかというタイミングを読んでいます。
もちろん、実際は、そうではない結果が待っていることもありますが、そこで、腹を立ててしまえば、相手本意ではなく、それは、自分本位な行動ということになってしまいます。
好物を用意して待っていたけれど、体調が悪いと帰ってきて、すぐに寝てしまった…というようなタイミングの読み間違えや想定しなかったことが起きることもありますが、それも受け止める、受け入れることができてこそ、相手本意です。
あなたが思いやりたい相手は、大切な人のはずです。
どんな人にでも思いやれとまでは言いません。
自分にとって大切な人ならば、相手の気持ちや状況も大切にしてあげられるといいですよね。
そうしたら、円満な関係性がずっと続いていくと思いませんか?
まとめ|充足感のある対人関係を目指していこう
いかがでしたか?
4つの本位と本意の意味の違いには、深いものがありましたよね。
相手本位をやめたいと言っても、ただでやめられるものではありませんよね。
相手本位を本当の意味でやめるためには、4つの違いを知らなくては意味がありません。
鬼滅の刃をご覧の方には、わかりやすい例えになると思いますが、鬼は、自分勝手ですから、自分の都合を好きなように並べ立てます。
その言動を強く批判し、「お前だけは、絶対に許さない!」と刀を握る炭治郎がいます。
もしも、鬼たちは、人間であった頃にもっと自分や周りのことを考えることができていたら、鬼にならない未来があったのではないか…そう思うのです。
不遇な境遇があれば、荒んだ気持ちにもなりやすいものですが、そればかりを見つめて生きるのではなく、自分の気持ちをちゃんと理解してあげたり、相手のことをもっと思いやる気持ちを持つように心掛けることで、どんなに苦しいことも道が開けていくはずです。
苦しい気持ちになった時、相手にわかって欲しくて強く態度で出してしまったり、自分をイジメるような発言を浴びせたりしがちです。
でも、それは、あなたが望む明日に繋がっていくでしょうか?
だって、しょうがないじゃん…
それが、相手には、いつも通じる言い訳なのでしょうか?
自分のことも相手のことも大切にする。
自分本意で相手本意なあなたになれたら、毎日が変わっていきます。
その変化は、大きな充足感としてあなたの中で温かく感じられるはずです。