「毎日がしんどい…」
「病院でも簡単に解決する症状でもない…」
この身体の不調はなんとかならないか。
食事や運動で体質改善できるかもしれないと、取り組んでみたけどうまくいかなかった。
ネットや雑誌やテレビで、いろんな方法を見聞きしては、トライしているのに…何も変わらないし、キツイ方法だって試したのに変化を感じられない。
体質改善できるというのは、嘘だったんだろうか?
一体何を信じれば良いのか…
体質改善自体、できない嘘なのか、鍼灸師の立場から検証していきます。
東洋医学は、体質改善を根本に考えて治療する医学
体質改善はそもそも嘘なのではないか、体質が変わることで病気や不快な症状が治るものではないと言われたりします。
確かに、その通りなのかもと思うところはあるのです。
僕は、実際に鍼灸の施術では、体質的に弱いところをなんとかしたいと考えながら取り組んでいます。
また、今抱えているつらい痛みや不快な症状を軽減できるようにと合わせて施術します。
それでは、東洋医学において、病気や不快な症状をどのように診ていくのか、体質改善との関係性を見ていきましょう。
病気は、体質的な弱みにつけこんでやってくる
なぜ、病気になってしまうのでしょう?
菌やウィルスが身体の中に入ってきて悪さをするからでしょうか。
なんらかの原因で、身体が弱ってきて病気になってしまうのでしょうか。
病気になる原因は、いろんなことが考えられますが、その原因を突き詰めていくと、体質的な弱さにたどり着くと東洋医学ではとらえるのです。
そもそも東洋医学では、人は誰しも完全な健康な状態で生まれ育っていくとは考えていません。
どこかに、身体のバランスの崩れであったり、体質的に弱さを持っていると考えられているのです。
多くの病気が、そこをついて痛みであったり不快な症状を起こすと考えています。
インフルエンザなどの流行りの病気も、かかる人とそうでない人に分かれるのは、体質的な弱さやその時の弱り具合によるからなんです。
逆に、ずっと病気でいるのかというとそうではなく調子の良い時もあったりします。
身体の調子が良くなるのはなぜなのか見ていきましょう。
病気を治すのは、薬ではなく自然治癒力
自然治癒力が病気を治すんだって、健康への意識が高いあなたは、一度くらい聞いたことあるでしょう。
誰しもが備わっている自然治癒力ですが、発揮のしやすさや力の強さは、人によって様々です。
発揮しにくくさせてしまうのが、身体の中でバランスを崩しているということなのです。
このバランスの崩れが、体質的な弱さにもなります。
一方で、力の強さも大事な要素です。
この強さは、身体のガッチリした感じから伝わるものだけではなく、気力と言いましょうか、ハキハキとした感じが力強さになります。
実際、華奢な身体でも健康的な方っていますよね!
自然治癒力を発揮しやすい身体にすることが、体質を改善する目的になるのです。
別の視点から、お医者さんから処方される薬の多くは、熱や痛みなどの症状を軽減させるものです。
身体のしんどさを軽くする事で、自然治癒力を発揮させやすくしようというのが、薬の大きな役割であります。
様々な薬があるので、お医者さんや薬剤師にどんな目的で服用するものなのかは確認して理解するようにするといいですよ。
それでは、実際に息子の診療での体験を見ていきましょう。
ある皮膚科にて、息子を診察してもらった時の話
(再婚前の奥さんの話より)
息子がまだ小さい頃、ある日を境に体中に発疹が出て、当時かかりつけだった総合病院の小児科を受診しましたが、蕁麻疹の類だろうとアレルギーを抑えるような薬を処方されたのですが、1ヶ月経っても改善せず、かなりの痒みが出てつらそうにしていたので、とある皮膚科で診察を受けることにしました。
この皮膚科は、ちょっと珍しくて東洋医学的にも診断をして、西洋医学的にも薬を処方してくれる病院です。
実際の診察では、発疹の状態を確認したあと、
発疹は出ていないお腹をさするように診ていきました。
お腹をさするように診るのは、東洋医学で腹診といいます。
体質的な弱さを確認しているのです。
この腹診は、特に日本で発達した技術です。
皮膚科の先生は、
胃腸の調子が整うようにした方がいいね
と体質的な弱さを指摘され、子どもにも飲みやすい漢方薬の処方と痒みを抑える塗り薬を処方されました。
体質改善を目的としつつ、今あるつらい症状も軽減しようとしていたのですね。
体質改善って、そんなものは嘘なのではないかと言われることもあるのですが、東洋医学の立場からすると体質改善をとても大切に考えている医学なんだと知っていただけたら嬉しいです。
いやいや、体質改善に取り組んではみたけど、全然できなかったよという方もいます。
続いて、体質改善ができなかった原因を考えていきます。
頑張って取り組んでみたのに、体質改善できなかった3つの原因
今までにも、辛い症状があって、体質改善に取り組んでみたけどできなかったよという方も多くいます。
僕も患者さんを鍼灸の施術をしていく中でも、上手く体質改善ができず、治すことができなかったこともあります。
そういった経験からも踏まえて、体質改善ができない原因は大きく3つに分けて考えることができます。
体質改善は嘘だという面もあながち否定できない
一般的に出回っているもので、つらい症状を軽減し体質改善ができると感じさせるようなものが、たくさん販売されています。
これらの商品は、医薬品ではなく特定の栄養が補給できるようなものです。
正直なところ、人それぞれに個性があるように、体質もそれぞれであります。
その商品だけで、体質改善できるとは考えにくいのです。
実際に販売されている商品には、体質改善できるようなことが書いてあったりする訳ですから、その意味では、体質改善は嘘だと捉えられても仕方がないなとも思うのです。
続いては、商品のことではなく、体質改善に向けて食事法であったり、運動を提案されることがあります。
良いと思われるやり方に取り組んだのに改善出来なかったことについて見ていきます。
実は、体質にあったやり方ができていない
自分がどのような体質で、何が弱点なのか意外とわからないものです。
症状から考えて、どんな方法がいいだろうと調べて、間違った選択をして取り組んでしまうこともあります。
僕は、鍼灸の施術をする中で、必ず患者さんの体質的な弱さを診るのですが、途中で方針を変えることもあるのです。
それだけ、患者さんの体質を見極めるのが難しい場合があります。
同じ症状で困っている患者さん同士でも、体質の弱さは全く違っていたり、異なる症状で困っている患者さんの場合で、体質の弱さは一緒だったりすることもあるのです。
症状だけでは、体質を見極めることができるものではありません。
あなたが、数ある体質改善の方法の中から選んだものがあっていないことも考えられるのです。
また、体質改善の方法が合っていたとしても、行う期間があっていなかったり、用量があっていなければ、改善していかないこともあるでしょう。
ほんと、人の身体というのは繊細なものですね。
次に、体質改善できない3つ目の原因として、やり方が合っているにもかかわらず、改善できない場合をみていきます。
どんなに良い方法でも、体質改善を受け入れる身体になっていない
身体が受け入れる状況が整っていないと、正しいやり方であったとしても効果がないことがあります。
なぜだー!?ってなりますよね。
なぜ、そういうことが起こりえるのか説明していきますね。
あたりまえのことですが、人は食べ物の栄養を補給し、日々活動しています。
もう少し詳しく説明していくと、食べ物を消化して、身体に必要な栄養を吸収し、その栄養を身体の必要なところで代謝しながら活動します。
栄養分が代謝され様々なカスが出て、それを排泄していくのです。
消化→吸収→代謝→排泄というのが、日常欠かせない活動になります。
それでは、体質改善するためにどういうことをするかというと、食事法で改善に必要な栄養を吸収することをしたり、運動によって代謝を上げるようなことをするわけです。
先ほどの4つの要素は、どれかが1つでも上手く働かないと、他の要素に影響を与えてしまいます。
特に、消化や吸収は、普段どれだけできているか意識することができません。
どんなにあなたの体質にあった改善方法であっても、胃や腸における働きが上手くいっていないと身体が受け付けてくれないのです。
これまで、体質改善ができない3つの原因をあげていきましたが、原因が見えてくれば、どう対処すれば良いのか、きっかけが見えてきます。
続いて、体質改善したいと願っているあなたにやって欲しいと思うことを書いていきます。
体質改善を目指すために、まずやってみて欲しいこと
体質改善ができなかった、失敗したと感じている方に是非やってほしいことが1つあります。
それは、何かというと断食です!
エーーーっていう声が聴こえて来そうです。
ちょっと落ち着いてくださいね。
決して、あなたに無理なことをさせようという訳ではないですから。
なぜ、断食をあなたにおすすめするのか見ていきますね。
ついてきてください!
何かをプラスしていくのでなく、マイナスの発想からの断食
なぜ、断食なんでしょうか。
体質改善しようと何かに取り組もうとするとき、何かしらプラスアルファする事で改善しようと考えます。
断食は、そういったものではなく、身体をフラットな状態にしようというマイナスの発想が、他の体質改善とは違うのです。
鍼灸の施術をする時、僕が考えているのは、患者さんの持てる力を補うことと邪魔なものを取り除くことであります。
力を補うことは、患者さんの自然治癒力を発揮させるのに直接働きかけるのですが、なかなか受け入れられない時があるのです。
それが、もう一方の邪魔なものの存在であります。
イメージしやすいものだと、肩コリのコリみたいなやつです。
このコリのような邪魔なものを先に取り除いてあげると、力を補うこともスムーズにいきやすかったりします。
断食の大きな役割の1つとして、まず身体の中にある邪魔なものを取り除くことにつながりやすいのです。
マイナスの発想ですね!
断食はダイエットではなく、胃腸関係に休暇を与えること
断食というと、どうしても食事を究極に制限して食べないダイエットだと思われがちです。
たしかに、ダイエットとして取り組んで理想的な体重になって喜ばれる方も多くいますし、逆に、食べなかった反動でたくさん食べてしまい、逆戻りならずさらに上乗せなんてこともあったりします。
断食の目的を、ダイエットにしてしまうと、そういった反動をうみやすくなるんですね。
断食の本来の目的は、普段もくもくと消化や吸収を頑張っている胃腸関係を中心に五臓六腑に休暇を与えてあげることなんです。
胃腸関係にゆっくりしてもらうことは、東洋医学的にも理にかなっていて、脾胃論という昔からの書においても研究されていて、体調を整えていくのに、脾胃と言われる胃腸関係を中心に考えて治療しようというのがあります。
断食をして、体質改善を促す身体作り
胃腸関係を休ませることは、直接的に消化や吸収の調子を整えることにつながります。
それだけでなく、代謝や排泄に良い影響があると考えられるのです。
1つの説として、酵素の働きにあると言われています。
酵素は、身体の中では必要不可欠な物質です。
よく知られているのは、消化を助けるための酵素であります。
唾液に含まれているアミラーゼという物質は、ご飯などの炭水化物の分解で活躍しているのです。
ところで、この酵素というのは、働く場所によって、働き方を変えると言われているんですね。
代謝が求められる場所では、代謝を助けるための働きをしています。
今まで、胃腸などで消化することに頑張っていた酵素が、代謝するためにも働くことができるようになるのです。
酵素の働きが変わることで、消化から吸収、代謝して排泄までの流れがスムーズになっていきやすくなります。
身体の中のバランスが取れてくるんですね。
【まとめ】今まで、体質改善ができなかったあなたへ
正直なところ、体質改善というのはそんなに簡単にはできないものだとは思います。
ただ、今あなたが抱えている不調や不快な症状を、今よりも快適に過ごせるようになるためには体質改善に取り組むことは良いことです。
大切な人のために笑顔の毎日を誰だって送りたいですよね!
あなたも誰かのかけがえのない人です。
諦めないで欲しいです。
体質改善は、今日の明日でできるものではありませんが、きっとあなたも体質改善していけます。
今回、体質改善に取り組んでいくにあたって、断食を提案しました。
あなたのお役に立てれば幸いです。