寝過ぎてしまうと罪悪感があったりしますよね。出来るならば早く起きて行動したいのに思っているのですが、なかなか難しかったりします。寝過ぎは、実際どうなのでしょうか?悪いことなのでしょうか?寝過ぎの原因やリスク、早起きのための対策を提案していきます。
寝過ぎの原因
寝過ぎの原因は、大きく4つに分けて考えることが出来ます。寝過ぎの原因として、日頃の対策で対処が可能なものや病院に行ってみた方がいいものといろいろあります。ご自身にどのようなものが当てはまるか見極めていきましょう。
1.日頃の疲れや体調不良
日頃の疲れが溜まってくると、どうしても寝過ぎてしまうことがありますよね。何気なく生活を送っていたとしても、心身の疲れが出てしまうこともありますし、時には、風邪などで体調を崩してしまうこともあります。
そんな時に睡眠時間が多くなってしまうのは、決して悪いことではなく、むしろ心や身体が体力を回復させようと努めていることなのでよいことだと考えましょう。
ただ、毎週休日の時は、寝だめということで睡眠時間が多く寝過ぎになってしまう場合は、普段の疲れが取れていない証拠なので、普段の睡眠の質やどこで疲れを溜めやすくなっているのか気にかけてみるのもいいでしょう。
2.生活習慣の乱れや悪い習慣がでる
生活習慣が乱れてしまったり、睡眠のための悪い習慣が続くとどうしても寝過ぎになってしまう傾向があります。例えば、遅い時間の食事は、どうしても寝るまでの時間が短くなり内臓での消化吸収が中途半端な状態で眠ることになります。睡眠の時は、心や身体だけでなく内臓も休みを取りたいものです。遅い時間の食事では内臓の休みが取れないため、寝過ぎてしまったりします。
また、寝る前のカフェインの摂り過ぎや寝酒は、昼間に活動的な自律神経のうちの交換神経が活発になります。そのため、寝つきが悪く、眠りについても浅い眠りであるレム睡眠状態になりやすく心身の疲労回復がしにくくなってしまうため、寝過ぎになってしまいます。
他にも、栄養バランスが偏ったりすることも影響があります。睡眠の一番の目的は、心身の疲労回復です。疲労の回復には様々な栄養が必要であり、栄養の偏りがあるとどうしても回復できずに、長く寝ることで回復を図ろうとします。また、日頃の運動不足も同じように、慢性の肩こりや腰痛など身体が強張りやすくなり、代謝が悪くなります。その結果、身体全体に必要な栄養が行き渡りにくくなるのです。
3.環境変化に伴う身体の乱れ
ストレスからの自律神経の乱れや生理周期から来るホルモンバランスの変化に伴う乱れ、季節の変わり目や気圧の変化によっても寝過ぎを招いてしまいます。
何気ない日常を送っていたとしても、周りの影響を受けることなく日々を過ごすことは難しいと思います。仕事上のプレッシャーであったり、彼氏や旦那とちょっとしたことで揉めてしまったりと少なからずストレスを抱えてしまっているのではないでしょうか?良い睡眠のためには、自律神経のうち副交感神経がスムーズに優位になっている事が必要です。過剰なストレスは、どうしても交換神経が優位となり、気持ちが昂ぶったままになってしまい眠りの妨げになってしまいます。
4.体質や病気によるもの
体質的に長時間睡眠しないと体調を維持できないという方がいます。それは、ロングスリーパーと呼ばれる方で全人口の5%から10%くらいいると言われています。
また、寝過ぎが病気の一徴候であることがあります。
寝過ぎに伴うリスク
あなたにも経験があるかと思うのですが、寝過ぎた時に起きると頭痛がしたり、腰痛や吐き気などたくさん寝たはずなのに、かえって不調を伴うことがあります。どんなリスクがあるか考えていきます。
寝起きに身体の不調が伴うもの
まず、寝起きに伴って起きる代表的なものとして頭痛が多いのではないでしょうか?頭痛には、寝すぎが原因のものとして、大きく2つ考えられます。1つは、偏頭痛(片頭痛)であり、もう1つは筋緊張型頭痛です。他にも、腰痛であったり、時には吐き気を伴ったり、重くだるい疲労感がでることもありますよね。1つずつ具体的に紹介していきます。
偏頭痛(片頭痛)
偏頭痛(片頭痛)は、医学的にも確実に証明が出来ていないようなのですが、首筋などの血管が拡張して近くを通る神経などを圧迫することで頭が痛くなるものです。寝過ぎてしまって頭痛がする原因としては、自律神経のうち副交感神経が優位になって伴う作用において、血管を拡張させるものがあります。この血管の拡張による神経への圧迫により頭痛を引き起こすのです。
また、偏頭痛(片頭痛)の特徴として、頭の片側もしくは両側が脈打つような感じでドクドクとかズキンズキンと痛みます。他にも、吐き気などの気持ち悪さが伴ったり、光に対して過敏になったりしてチカチカする感じにもなったりします。
筋緊張型頭痛
同じ頭痛でも、偏頭痛(片頭痛)とは違った理由で引き起こすのが、筋緊張型頭痛です。筋緊張型頭痛は、基本的には、頭から首筋、肩にかけての筋肉が強張ってしまい、周りの神経を圧迫することで頭痛が起こると言われています。寝過ぎに伴う筋緊張型頭痛は、睡眠中の姿勢の悪さが原因のことが多いようです。実際には、枕の位置が高すぎたり、ふとんやベッドが沈みやすく寝返りがしにくかったりすると筋肉などの疲労を上手く回復できず、逆に筋肉が強張ってしまうことで頭痛が起きやすくなってしまうようです。
また、筋緊張型頭痛の特徴としては、ズーンとする感じの鈍く締めつけるような痛みがあります。他にも、首や肩のコリがひどく感じることも多いようです。偏頭痛(片頭痛)のように、吐き気などを伴うことはなさそうです。
大きく2つの頭痛を取り上げましたが、頭痛の伴う原因が異なるため、対処の方法が変わってきます。偏頭痛(片頭痛)では、痛む部分の周辺を冷やしたり、コーヒーなどのカフェインを摂ると痛みが和らぎやすいです。しかし、筋緊張型頭痛は、逆に首筋などを温めたり、首や肩、肩甲骨を動かしながらほぐしていくと痛みが和らぎやすいです。
このように、頭痛の種類によって、対処が変わってきますので、どのような症状が出ているのかしっかりと見極めましょう。
その他、腰痛や吐き気、疲労感
その他にも、寝過ぎたことによって、腰痛や吐き気、寝ているにも関わらず疲労感を伴うことがあります。腰痛は、主に寝返りなど適度に姿勢を変えることが出来ずに腰周辺の筋肉が強張ってしまっているためです。あまりに柔らかい布団やベッドだと、寝返りがしずらかったりするので、お使いの寝具を見直してみるのもいい方法です。
吐き気を催すのは、先ほどの偏頭痛(片頭痛)が原因のこともありますが、寝る前の食事が消化不良の状態であったり、逆に寝過ぎたことにより食物がまったくないような感じになってしまうことにより起こったりします。良い睡眠のために、食事と就寝の時間を3時間程度とることが、吐き気の対策にも繋がります。
疲労感が抜けない、寝ているにも関わらず疲労感が強いというのは、睡眠の質が伴っていないと考えられます。良い睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しながら、心や脳、身体の疲労を回復していくとされています。浅い眠りばかりなのが良くないのは理解できそうな感じですが、深い眠りのノンレム睡眠ばかりでも決して眠りの質としては良くないそうなのです。寝過ぎの方の傾向としては、このノンレム睡眠が長くなり過ぎるそうなのです。睡眠の質を上げるような取り組みをして疲労感を溜めない身体づくりをしていきましょう。
うつ病などの精神疾患のサイン
寝過ぎが続くとやる気が伴わなくなったり、うつ病などの精神疾患のサインにもなり得ます。うつ病というと、一般的には、眠れないや食欲がないなど何をするにもやる気がなくなってくる症状が出てくるようです。しかし、近年では新型うつ病といわれるような非定型うつ病と言われるようなものが出てきています。非定型うつ病では、うつ病とは逆に過食の傾向とか過眠の症状が出てくることがあるようです。この非定型うつ病では、自分自身の好きなことや趣味などをする時には意欲的に行動する傾向があるので、発見がしずらい病気だともいえます。
あまりに、寝過ぎの状況が改善されなかったり、やる気にすごくムラが出るようになってきたら、病気の疑いがあるかもしれませんので、心療内科や精神科など病院に行って相談してみるのもよいでしょう。
早死にのリスク
統計的な話ですが、睡眠時間が長い方は適正な睡眠時間の方より寿命が短いそうです。
何が明確な原因なのかは特定はできていないようですが、睡眠時間が長くなりすぎると1日の時間の使い方も無駄にしてしまう感じもしますし、質の良い睡眠をとって、自分の適正な睡眠時間で元気に活動できるといいですよね!
学力低下を招く
良質の睡眠では、記憶の定着が盛んだと言われています。また、日中の集中力も変化しやすく、寝すぎの傾向がある方は日中も適度な集中力が発揮しにくいようです。
以前に聞いたことがある、睡眠学習という寝ながら記憶したいものをテープとかで流すと記憶に定着するかどうかは定かではありませんが、前日にしっかりと勉強した内容を翌日に確認していくと記憶の定着のチェックも測れて非常に効率がいいとは感じますよね!
寝過ぎから早起きに変わる対策
睡眠の質を良くしていくことで、寝過ぎから解放されやすくなります。そのための提案をしていきます。
カーテンを開けて、光が差し込むようにする
太陽の光は、目覚めにとてもいいです。1日の生活リズムを整える中で、最も効果的と言われています。人間を含めた生物は、睡眠と覚醒、体温の調節などを一定のリズムで生活をしています。睡眠から覚醒に至る切替にあたるのが太陽の光です。
カーテンの開けっ放しは、防犯上厳しい所もあるので、少しでも差し込むように配慮したり、朝起きる時の習慣としてカーテンを開けるようにすると太陽の光を浴びることになりますよね!
また、目覚めをよくするのは、熱めのお湯での朝風呂や朝シャワーです。目覚めの間もないときは、どうしても自律神経のうちの副交感神経が優位になっています。覚醒して動き出すには、交感神経の働きを活発にする必要があります。活発にしやすいのが、熱めのお湯を浴びることなのです!
このことから、逆に寝る前のお風呂は、熱めのお湯ではない方がいいのです。どうしても熱いお湯じゃないとという方は、徐々にお湯の温度を上げて、急激な熱さを感じないように配慮するといいです。
寝具や睡眠グッズを活用してみる
枕が変わると眠れない方も多いように、フィットした枕にすることで眠りの質が上がったりします。
寝具や睡眠グッズは、調べてみるといろいろなものがあります。これはいいなぁって思うものを使ってみるのもいいと思います。一番最初に試してみて欲しいのが、実は、パジャマです!
パジャマが、自分自身の肌に触れるものであり、適度なゆとりをもたせて身体にストレスを与えないようにしているものだからです。心地よいものを、身にまとって眠るだけでも質の良い睡眠につながっていきます。
睡眠のパターン作成と約束
まず、睡眠に入るためのパターンを作ります。自分の中で、1つの流れを決めると良いでしょう。例えば、眠る前には、ホットミルクを飲むとか、布団に入るとき、ヨガのポーズなどをして身体をほぐして眠るなど自分に眠りに入るための簡単な約束事をします。それだけでも、寝入りがずいぶんと変わってきますよ!
また、朝起きる時は、この時間に起きると決めるのではなく、その時間に何か行動するようにします。例えば、先ほども少し触れたようにカーテンを開けるとか、コーヒーを豆を挽いて淹れるなど、自分自身に朝起きてすることの約束をするのです。このちょっとした気持ちの切り替えが朝の目覚めが変わってきますよ!
寝すぎたからといって自分を責めないで!
これまで、寝すぎによるリスクなど、身体に悪いことも書いてきましたが、ほとんどの場合、日々の疲れを癒すために寝すぎてしまっているものだと思います。
しっかりとご自身の身体や心をいたわって上げてくださいね!睡眠の質を上げて、1日1日良い日が過ごせますように…