この冷え性をなんとかしたい!
何かをすると、すぐ疲れてしまう、だるくなりやすいのをなんとかしたい!
痩せたい、痩せやすくなりたい、太りにくくなりたい!
理想的な体質に改善したい!
不快な症状があって、日々の生活にも支障が出るし、なんとかしたいと思うものです。
世の中には、いろんな商品やサービスがあって、体質改善ができるよと宣伝されているものもあちこちで見かけます。
ふと、疑問に思うのが、本当にそんな都合のいい体質改善なんてあるのだろうか?
鍼灸師が基本としている東洋医学では、体質改善をしていくことが、本当の意義なんだと読み取れるようなことが、古くから残されている書籍に記載されていたりします。
実際に、鍼灸の施術をする現場でも、患者さんが体質としてどこに弱さを持っているのか、何を改善すると健康的になれるのかを考えて施術にあたっています。
それでは、鍼灸師が考える体質改善とはどういうものか、そこに可能性はあるのか書いていきますね。
まずは、あなたにとって、改善したい体質とはどういうものか見ていきましょう。
あなたが改善したい体質とはどういうものだろうか?
体質改善という言葉を耳にする機会がよくあるように思います。
僕は鍼灸師なので、日々、患者さんと接する中で、
「体質改善したいんだよね」
と当然のように言われるものです。
ただ、一般的に言われる体質改善と僕のように東洋医学を学び施術に活かすうえでの体質改善では捉えている意味が違うように感じます。
その中でも、体質改善をしたいという代表的なもの3つを引き合いに、何が違うのか考えていきます。
冷え性の体質とは、どういうものなんだろうか?
冷え性で悩んでいる方って、確かに多いです。
僕が診る患者さんの中でも、冷え性で困っているんですという方は多いですし、冷え性のことを訴えていなくても冷えているなと思うこともよくあります。
一番多く言われるのが、足先や手先が冷える末端冷え性と言われるような症状です。
この症状を、東洋医学の体質の考え方で診ていくと大きく2つに分けられます。
一つ目が、主に肝臓の働きが弱っていて、熱のエネルギーを全身の末端まで送り届けにくくなっているんです。
二つ目が、主に胃腸関係の働きが弱っていて、食事からの栄養のエネルギーがそもそも足りなくなってしまうことがあります。
この2つ以外にも、身体を診ていくといろいろな体質が考えられますが、ここでは控えさせていただきますね。
次に考えられるのが、隠れ冷え性タイプと言ったり、冷えのぼせという体質もあります。
この体質は、五臓六腑のどこかで弱りがあって、熱を起こすことがあります。
熱は、上昇していくものなので、頭や首の方に熱が溜まっていくのです。
患者さんが訴える症状としては、のぼせに基づくものになってくるので、自分が冷えていることに気づかない事が多かったりします。
実際には、熱が上に集まってきているので、下腹部や足の方は冷えてしまうのです。
冷え性で悩んでいるといっても、かなりの体質に分けることができるので、東洋医学に基づく施術の方針も体質に合わせて変わってきます。
例外として、自分は冷え性だと思い込んでいるけれど、僕からすると、冷えの症状は見当たらないことなんかもあります。
続いて、疲れやすい、だるくなりやすい体質について考えていきますね。
疲れやすい・だるくなりやすい体質とは、どういうものなのだろうか?
やりたいことはあるのに、すぐに疲れてしまって、やろうと思うのにできないんだと悩まれる方も多いです。
このように悩む方が、病院に行っても原因がわからないことも多かったりするので余計に悩ましかったりします。
ちゃんと病気だとわかれば対処のしようもあるのにと。
東洋医学では、病院で病気が判明しなくても、体質的に問題が見えてくることもあります。
疲れやすいということは、身体を動かすためのエネルギー(東洋医学で気のこと)が足りてないともいえます。
このエネルギーはどのように蓄えていくかというと、肺による呼吸と胃腸による食物からです。
内臓の一部の働きが弱り、特に冷えてくるような感じになると、エネルギーの補給や貯蔵が難しくなり、疲れやすいと感じたり、動きにくく感じます。
また違う視点からは、動き始めはやる気もあって動くんだけど、いざ動いていると疲れてしまってやりきれないこともあるのです。
この場合は、肝臓系に問題がある事が多く、血の巡りが全身に行き渡らなくてエネルギーが足りなくなってしまいます。
他にも、人間関係などで周りに気を使ってしまいやすい人もエネルギーは消耗してしまうので、体質的に問題がある事もあるのです。
最後に、痩せやすく太りにくい体質について考えていきますね。
痩せやすく太りにくい体質とは、どういうものだろうか?
ちょっと食べると、すぐに太ってしまう。
あの人は、あんなに食べてるのに全く太らなくて、スタイルが良くてうらやましい。
たしかに、すごい量の食事をするのに、太らない人っていますよね。
体質的に考えても、この人は太れないだろうなと感じることもあります。
太りにくいのは、胃腸関係がうまく働けない、見た目の症状としては胃下垂になっていたり、便秘で悩む方も多かったりするのです。
結局、太りにくいというのは、体質として考えると病気の状態となんら変わりがありません。
太りにくい体質とは、胃腸関係の消化や吸収がうまく働けてない割と冷えが強い状態にあるのではと考えます。
もう一方、痩せやすい体質を考えてみると、異常に代謝機能が働きすぎているのかなとも思います。
身体の中で、代謝の働きをする主役は、肝臓です。
肝臓はとても頑張り屋さんな臓器なので、仕事がまわってくると、精一杯な状況でも一生懸命こなそうとしてしまいます。
肝臓が働きすぎてしまって、体調不良を起こしてしまう体質もあるのです。
痩せやすく太りにくい体質を考えると、その体質は治したいものになるんですね。
実際は、あなたが健康的な状態であれば、あなたにあった体型で安定しやすくなるように思います。
これまで、体質についてどういうものかを書いてきました。続いて、鍼灸師として体質改善に向けてどのように考えているか見ていきましょう。
人それぞれに個性があるように、体質にもいろいろある
東洋医学を軸にした鍼灸の施術では、体質を考えながら不快な症状が治るように、健康的に過ごすことができるように行っています。
ただ、東洋医学に基づいて考える体質は、いま、あなたが不快に思っている症状を元に考えていないところにあるのです。
あなたが生まれてきて育っていく中で、身体の全てがバランス良く健康的に育つ訳ではなく、どこかしらバランスが崩れ弱点のようなものを持つのが、あなたの体質と考えています。
ちょっと体質に対する考え方が違うように思いませんか?
このように考えるのに至ったのには訳があります。
現代と違って昔々は、疫病や伝染病で死に至ってしまう事も珍しくはありませんでした。
当時の東洋医学に基づく医者は、なんとかならないかと鍼灸であったり、漢方薬であったり方法を考えるんですね。
この病気には、この方法がいいと見つかり対処していくのですが、どうしても効果が出ないことが頻繁に起こってしまうのです。
人によって、同じ病気だったとしても、異なる治療をしなければいけないということがあった訳です。
この事を、東洋医学では、同病異治と言います。
こうした長い世代に渡って、研鑽されていく中で、人それぞれには体質があるんだとわかっていったのです。
人それぞれに個性があるように、体質にもそれぞれの個性があるので、実際、鍼灸の施術の現場においても、そう簡単にはあなたの体質は、コレだと判明しない事もあります。
しかし、体質が判明しないからといって、何もできない訳ではなく、あなたの身体のバランスが良くなるように調整していくことが目標となっていくのです。
出来る限り、東洋医学の考える体質改善についてわかりやすくなるようにと書いてみました。
続いて、普段の生活で出来ることを見ていきましょう。
体質改善に特効薬はない!運動や食事、自分に合ったものを探して取り組んでみよう
体質改善について、ほんといろんな情報や商品などが溢れています。
眉唾なものもあるし、効果がある人にはあるんだろうなと思うものもあります。
「〇〇で悩む人におすすめ」という商品を見つけたら、コレだ!と思って、買いたくなってしまう気持ちはわかります。
でも、正直なところ、なかなかあなたの体質に合うものに出会うのは難しいのかなとも思うのです。
そのうえで、あなたの体質改善に向けて、普段の生活においてチャレンジしていただきたいことは大きく2つあります。
日々の食事と運動です。
食事に関しては、特別なものを食するのではなく、出来る限り旬なものを取り入れ、いろいろなものを食べるようにしようです。
今、スーパーでは、季節に関係なくいろんな食品が並ぶようになったので、季節感が分かりづらくはなりましたが、旬なものは美味しいですし、その季節にあった役割を果たしてくれます。
運動も、しっかりと何かをしなければならないではなくて、ちょっとしたことから始めていきましょう。
買い物帰りに、ちょっと大回りして歩こうであったり、お風呂あがりにちょっとストレッチしようでいいのです。
ちょっとのきっかけが、あなたの身体に少しずつ働きかけてくれます。
最後に、1つ気にかけて欲しいなと思うのが、
あなたの心へのいたわりです。
何かをしなければならないとなると、心への負担にもなりやすかったりします。
決して、無理はしないように、心にゆとりが持てるような事を自分にしてあげるといいのではないかと思うのです。
【まとめ】体質改善を目指すのは大変かもしれないが、普段の生活や行動にかかっている
これまで、体質にはいろいろあるという事を書いてきました。
冷え性の体質1つとっても、いろいろな体質があるということです。
そんないろいろと体質がある中でも、あなたの身体のバランスが取れていくことが、体質改善に繋がっていくことなんだと東洋医学では考えています。
身体のバランスを取るというのは、東洋医学に基づく鍼灸や漢方薬でもお手伝いできることではありますが、普段の生活をどのように過ごすかというのはとても大切です。
普段の食事や運動に、少し目を向けると、あなたの体質は変わっていきます。
なかなか今日の明日で目に見える変化はないものですが、季節の変わり目ごとに見ていくと変化を感じることもできるでしょう。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
いろんな視点からコラムを書いていますので、他のコラムも読んで下さると嬉しいです。