「腸内環境を整えましょう(腸活)」や「腸内フローラ」といった言葉が、美容系や健康系の雑誌でも紹介されて、よく見聞きするけど…イマイチよくわからないと思ったことはありませんか?
なんだか難しそうな気がして、素通りしてきませんでしたか?
腸内環境を整えるとどんな効果があるんだろう?という謎
腸の働きは、消化・吸収・排泄がメインというのは、理科の授業に習った話です。
「腸内環境を整える」ことは、腸の働きを良くするための改善方法のように捉えがちなのですが、少し違った側面があります。
学校で教えてもらった話は、体の仕組みの話です。
人が気にかけるのは、ストレスから起きる身体の不調のみ
逆に、腸内環境が整って心が良くなるのはわからない!
誰かの心ない言葉に傷ついて、胃がキリキリしたり、すごく緊張する場面に遭遇して、腸が悲鳴を上げて下痢になってしまったりという経験はありませんか?
このような経験を繰り返してると、本当に病気になって胃潰瘍や過敏性腸症候群という診断を受けてしまうことがあります。
何が原因だったかというと、
あなたの心に過度のストレスがかかっていたからですよね。
そう、心への負荷は、胃腸にも響いていくんだと体験した方なら、すごく理解できることです。
しかし、心から胃腸にSOSの働きかけがあるなら、その逆である胃腸から心に対してプラスの働きかけがあっても良いと思いませんか?
本題に入る前に問題が1つ、
「あなたは普段からの胃腸の調子の良し悪しを判断できてはいない」と思うのです。
胃腸は、特にだれかの指示を受けることなく、食べ物が来れば消化して、必要な栄養を吸収しています。
日々、あたりまえのように行われていて、今、胃腸が頑張って消化くれてるなとか、休んでるのねといった状況は把握できていないものです。
もちろん、僕もよくわかりません。
胃腸が普通に働けているうちは、それが自然で特に気にかけることもないということでしょう。
一方で、心へのストレスや負担がかかることは、ある日突然予告もなくやってきます。
期日があるものであれば、その日が迫ってくると、どんどんストレスが増大します。
数日単位で落ち込んで悩むようなことがあると、ストレスレベルは高くなります。
<ストレスがかかると>
・胃痛
・腹痛
・下痢
・不眠…etc…
いろんな不調症状を感じることもありますよね。
これが通常のイメージではないでしょうか?
でも、ちょっと考えてみてください。
ストレスを受けているからといって、必ずしも胃潰瘍や過敏性腸症候群になるわけではありません。
そういう人って、鈍感なのでしょうか?
繊細と鈍感という2タイプの人に分けて考えることもできるかもしれませんが…
なぜ、鈍感でいられるのか?という点に着目したいと思います。
実は、胃腸の中でも特に腸内環境に関する研究が進んでいて、腸から心への関係性を証明されるようになってきました。
腸内環境を整えると心に良い影響がある根拠
腸と心の関係について、近ごろ脳腸相関や腸内細菌叢(さいきんそう)というかたちで研究が進んできた西洋医学と古来より心身一如といって心と身体は密接に繋がっていることを軸にした東洋医学の側面から心に良い影響があることを見ていきます。
腸内環境を整えるとセロトニンという物質が活躍しやすくなる
小腸や大腸には、多くの細菌がいてあなたと共に過ごしています。
特に大腸には、約1000種類もの細菌が100兆個にも及ぶといわれています。
まだまだわからないことも多く、日々研究を続けられている状況ですが、細菌の様子を見てみると種類ごとに集まりナワバリをつくっているようなのです。
その様子が、お花畑のように見えるので、腸内フローラと言われるようになりました。
腸内環境を整える目標の一つが、腸内フローラの細菌たちのバランスを整えることにあります。
バランスが整ってくると、一部の細菌がセロトニンの材料となる物質を作りだしやすくなってくるのです。
セロトニンは、心や身体を落ち着かせる作用を持っていてリラックスさせやすくなります。
別名、幸せホルモンと言われたりもします。
身体の中にあるセロトニンのうち90%くらいが、腸にあります。
腸と脳は、迷走神経を通じてつながっていて、セロトニンを送り届けています。
脳は、普段からいろんなことを判断して、指示を出しています。心に強いストレスがかかったときには、心を落ち着かせようとセロトニンを分泌させて、心や身体のバランスを保つようにしています。
腸内環境が整っていないと、セロトニンを充分につくりだせず、ストレスにしっかりと対処できなかったりするのです。
心の土台となる腸の可能性
もともと東洋医学は、心と身体は密接に関わりあいお互いに影響し合ってることを一つの軸として考えられています。
胃腸の弱りがあると、うまく思考ができず、思い悩みやすくなります。
実際に、ぼくが鍼灸師として施術にあたっていると、施術前に胃腸の弱りを感じる患者さんはかなりいらっしゃいます。
でも、胃腸の弱りを自覚している患者さんは少ないです。
詳しくお話を伺うと、ストレス環境下にあることが会話から出てきたりすることも多いです。
施術前には、モヤモヤしていた患者さんも、胃腸を中心にバランスを整えた施術後には、ハキハキと笑顔になられることを僕は何度も見てきました。
また、「腹が立つ」や「腹が据わる」といった、お腹や臓腑を感情の表現に活用することがよくあります。
東洋医学では、心と身体のつながりを感じながら研鑽されたものではありますが、ふだんの生活においても言葉にするくらいお腹と心が関わりあっていることを感じているのでしょう。
【まとめ】腸内環境が整っていれば、ストレスに耐えやすく心を強く保っていられる
腸内環境を整えることで、いろいろと効果があることは考えられますが、心に影響があることは思いもよらなかったことではないでしょうか?
セロトニンという物質が、神経を巡ることで心を落ち着かせる作用があるということが分かっています。
そのセロトニンの80%以上が、腸にあって作られているということも分かってきています。
東洋医学は、腸が身体の土台となり得るし、身体が心を支えになり得ると考えてきました。
心に負荷のかかるストレスは、自分以外の誰かによってもたらされることが多いです。
そのストレス自体をなんとかすることは、時に難しいこともよくあるでしょう。
ストレスに耐えられるだけの身体が備わっていれば、心もしっかりとしていられるはずです。
身体の備えとなれるのが、腸内環境を整えるのが効果的になります。
身体をつくる栄養は、主に小腸から吸収していますし、心を落ち着かせるセロトニンも適切な腸内環境があってこそです。
心にも影響があることを感じながら、腸内環境を整えていきましょう。
<腸内環境を整えるには…>
詳しく記載していますので、ご覧ください。